銭洗弁財天宇賀福神社(ぜにあらいべんざいてんうがふくじんじゃ)は、神奈川県鎌倉市佐助にある神社である。境内洞窟にある清水で硬貨などを洗うと増えると伝えられていることから、銭洗弁財天(銭洗弁天)の名で知られる。
源頼朝が、巳年である1185年(文治元年)の巳の月(旧暦4月)巳の日に見た霊夢に従い、佐助ヶ谷の岩壁に湧く霊水を見つけ、そこに洞を穿ち社を建てて宇賀神を祀ったと伝えられる。
同じく巳年の1257年(正嘉元年)に、北条時頼がこの霊水で銭を洗って一族繁栄を祈ったのが銭洗の始まりだといわれる。
宇賀神と弁財天が神仏習合して弁財天と呼ばれ、相馬天王(扇ヶ谷)の末社だった。明治時代の神仏分離により、相馬天王は八坂大神と改称、当社も祭神を市杵島姫命とし、1970年(昭和45年)には末社から独立した。
四方を急峻な崖で囲まれており、入り口は隧道になっている。第二次世界大戦の頃まではこの隧道は無く、現在「裏参道」と呼ばれる南側の細い参道が本来の入口であった。
本宮には市杵島姫命が祀られる。
奥宮は本宮の横の洞窟。湧き出る清水は銭洗水(ぜにあらいみず)と呼ばれ、鎌倉五名水に数えられている。洞内には宇賀神と弁財天が祀られ、銭洗い用のざるが用意されており、参拝者はざるに硬貨や紙幣を入れて銭洗水で洗う。
境内には上之水神社、下之水神社、七福神社の、3社の境内社がある。
当社の名物の1つとして「願いかなう茄子守」(ナスの御守り)が売られている。古来より茄子は縁起物とされ、物事を成す(成就する)といわれる。なお、この御守りはももいろクローバーZの高城れに(イメージカラー:紫色)が愛用していることでも知られる。