2015.06.05更新

成海神社

        成海神社

所在地 愛知県名古屋市緑区
鳴海町乙子山85
位置 北緯35度5分12秒
東経136度57分12秒
主祭神 日本武尊
社格 式内社(小)・県社
創建 朱鳥元年(686年)
本殿の様式 流造
例祭 10月10日
主な神事 御船流神事
成海神社(なるみじんじゃ)は、愛知県名古屋市緑区鳴海にある神社延喜式神名帳尾張国愛智郡成海神社にあたる(式内社)。「鳴海天神」、「東宮大明神」とも呼ばれていた。旧県社
創建は朱鳥元年(686年)、草薙神剣熱田に還座(草薙剣盗難事件)された時に、日本武尊の縁由により鎮座されたと云われる。熱田大神宮御鎮座次第本紀には、事件を契機に日本武尊東征の縁故の地に創祀した10の神社が記載されているという。
創建当初は今より南の地、扇川に面した天神山に鎮座していたが、応永元年、足利氏の武将安原宗範により根古屋城(鳴海城)が築かれ、当社は現在の乙子山に奉遷された。現在の城跡内(城跡公園の東)には境外社天神社が鎮座している。例祭では御旅所となる。
旧址天神山の南には天白川支流の扇川が流れており、往古は洲一帯に「鳴海潟」という浜があった。天神社には日本武尊が鳴海潟で詠まれたという御歌「奈留美良乎 美也礼皮止保志 比多加知尓 己乃由不志保尓 和多良牟加毛(鳴海浦を見やれば遠し火高地にこの夕潮に渡らへむかも)」を刻んだ石碑がある。その他、日本武尊は鳴海について4首の御歌を残されている。御歌にある「火高(大高)」とは尾張国造城館の所在地で、日本武尊の后である宮簀媛命が住んでいた。現在、同地には熱田神宮境外摂社氷上姉子神社がある。東征からの帰還の際には、日本武尊は鳴海潟から火高まで船で渡ったという。毎年10月10日(近年は同日に近い日曜日に開催)の例祭では、この神話に因み、御神霊を旧址に渡御し、木片一片を御船として扇川に流す御船流神事を行う。