2016.10.11更新
崇道天皇社
崇道天皇社
崇道天皇社(すどうてんのうしゃ)は、奈良県奈良市西紀寺町にある神社。旧社格は村社、神饌幣帛料供進社。
紀寺天王とも呼ばれ、かつては璉珹寺(紀寺)の鎮守として祀られ。同寺東北に鎮座。薬師堂町の御霊神社とともに南都二大御霊社とされる。
平城天皇の大同元年(806年)の草創と伝わる。
五條市の藤井家に蔵される長禄2年(1458年)の「霊安寺御霊大明神略縁起私記」によると、『又奈良ノ南里ノ紀寺ノ天王ト申スモ、崇道天皇ニテマシマスナリ』とあり、怨霊を鎮めるために祀った御霊神社の一つである。南都八所御霊の一座として御霊会が行われる。
「大乗院寺社雑事記」の応仁2年(1468年)10月15日の条には、春日大社の末社であり本地は弥勒菩薩であると記されている。
国重要文化財である本殿は、桃山時代創建と推定される春日若宮本殿を、元和9年(1623年)に移建したものである。現在は南面するが、1875年(明治8年)までは鳥居、表門をくぐると真正面の向き、すなわち西向きであった。
境内社は祓戸社・天満宮・稲荷社の3社で、神社明細帳(明治24年)によると、春日社も他の二社とともに独立してまつられていたが、現在は祓戸社と相殿になっている。
神楽殿は安政2年(1855年)の再興で、斎館は1940年(昭和15年)の竣工。神輿庫には享保2年(1717年)ごろ修理された古い神輿があり、秋祭礼に用いられる。
この他、1520平方メートルほどの広い境内には、春日見の腰掛石やあちこちに巨木が残っている。